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お楽しみ兜町ディナー



 − 10/24(水) −


「8058」・「8237」・「5302」・「4023」


8058 三菱商事

 同社は財務体質、CF創出力、資産規模で商社セクタートップ。株価は3600円処で上値の重い推移だが、短期調整の一巡後は修正後の上場来高値3950円(2008年5月)を再び目指す波動が再開されそうだ。目標株価4200円を付与している東海東京では、今年度に入り、LNGカナダプロジェクトの最終投資決定およびケジャベコ銅鉱山の権益追加取得と開発意思決定が発表された点に注目。「いずれも同社が知見を有しているコア事業であり、成功確率が高い」と言及し、19.3期の最終利益を会社計画6000億円に対して6600億円と予想している。

 また、みずほ証券では目標株価4260円で先週よりカバレッジを開始しており、減損リスクのある課題案件がほぼ見当たらず、一方で事業ポートフォリオは強固であるため、今後は安定的な利益成長が可能だと判断している。また、11月に公表見込みの新中期経営計画については、株主還元の考え方等、株主との対話を通じた合理的な資本配分が実現すれば、株主資本コストの低減による株価の上昇が見込めると推察している。


8237 松屋

 銀座を代表する百貨店の同社に対し、先週はいちよしが目標株価2500円でカバレッジを開始している。いちよしでは「百貨店企業の株価は、大都市立地の業態特性ゆえ、土地の含み益にサポートされ、PERが高止まりする傾向が見られる」と指摘。実際、過去の同社株のPERをみれば、50倍程度で推移していることが多い。足元のPERは見た目は割高だが、ヒストリカルでは押し目買い妙味ある水準となる。

 また、簿価ベースのPBRについて、三菱では「平均4.2倍であるが、土地の含み益を考慮した実質PBRで見ると、直近株価では0.5倍と試算される」と解説している。百貨店は他の小売企業と比べて社歴が長く、店舗用地の取得原価が低く、多額の含み益を有していることが多い。最近の銀座地区の地価上昇は土地の含み益の増大につながり、これが同社の株価をサポートしつつ、インバウンド景気が追い風とする来19.2期以降の好業績期待が株価上昇を後押しする可能性を見込んでいるようだ。


5302 日本カーボン

 黒鉛電極の市況が好転や、販売価格の上昇が想定を上回っていることが手掛かり材料視されている。製鉄業での過剰生産能力と環境汚染を削減するという中国政府の取り組みを受けて、過去18カ月間に黒鉛電極の価格は急上昇し、メーカーの利益率は著しく改善した。中国が生産調整を実施した結果、世界的に鉄鋼市況は上昇し、環境汚染の少ない電炉による鉄鋼生産高が急増。黒鉛電極は電炉での生産に必要な消耗品である。

 この黒鉛電極事業に加えて、同社は半導体および自動車向けに成長が見込め、安定的でかつ利益率が高い炭化ケイ素連続繊維を製造している。さらに、民間航空機および軍用航空機向けの次世代ジェットエンジンの重要な部品(陶芸)に使われる炭化ケイ素繊維も、成長の余地が大きい。収益は16.12期の純損失54億円、前17.12期の純利益31億円に対し、今18.12期には純利益が過去最高の100億円に達すると予想されている。なお、先週はメリルが19.12期予想PER11倍相当の目標株価12400円で新規にカバレッジを開始している。


4023 クレハ

 同社は自社開発品が大半を占め、主要製品で世界シェアトップを誇る。特に今後はPGA(ポリプリコール酸)樹脂の販売数量増により、収益拡大が続きそうだ。同社は日揮との合弁会社によるPGA製掘削機器の販売を強化しており、同市場でのシェア拡大を目指してきた。ここにきてシェールオイル/ガスの坑井掘削は、高いコスト競争力を誇る米テキサス州を中心に急増している。三菱UFJMSでは、「米国シェールオイルの生産拡大によるPGA市場の拡大と同社の販売方針転換による市場シェア上昇が期待される」と言及しており、足元で1-2%のシェアが、中期的に10%程度に上がる可能性も示唆している。

 株価は年初来高値更新が続いており、日足、週足、月足すべてで綺麗な上昇トレンドを描いている。特に足元では年初以降の8500円処の上値抵抗ラインを鮮明に上抜いたことで、チャート妙味は一段と高まってきた。PGA事業の収益機会が増したことなど、好調な業績を背景に今後も強い動きが期待できそうだ。