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勝つための“投資戦略”を探る|11月は反転の可能性あるも、中期トレンドは下降転換濃厚|デイトレ、デイトレード、株式情報ならキッチンカブー

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勝つための“投資戦略”を探る


 − 10/30(火) −


11月は反転の可能性あるも、中期トレンドは下降転換濃厚


主要移動平均線は全て下向きに転じる

 日経平均は10月2日に24448円の高値を付けてから、昨日10月26日には20971円まで急落しました。17営業日で3477円、率にして14%以上の下落となります。

 日経平均の主な移動平均線は、10月29日終値時点で高い順番に並べると、

25日移動平均線(23023円)
13週移動平均線(22674円)
26週移動平均線(22606円)
52週移動平均線(22484円)
5日移動平均線(21541円)
  

となっています。

 注目すべきは、52週移動平均線を1500円幅と明確に割り込んでしまったことです。割り込んでからすぐに回復することもなく2週間も低迷が続いています。値幅的にも、時間経過的にも、52週移動平均線を「一時的に割り込んだ」とは言いづらい状況になっており、「完全に割り込んだ」とみるべきだと思います。

 また、主要移動平均線の全てが下向きに転じたことも注目されます。
週足の順番が依然として13週→26週→52週の順ではありますが、きわめて接近していて、逆転間近といえそうな状況です。

 一旦「完璧な上昇の形」となって年初来高値を更新した直後に、それが「だまし」の形になり、逆に「完全な下降転換」に近い形に急転直下で転じたことで、下降転換の可能性が一段と増したといえると思います。

 結論として、「チャート的に中期トレンドが下降転換した可能性が濃厚」と言えるのではないかと思います。

 まさに、「10月は魔の月」という経験則が発現した月になりました。


ハッキリした悪材料が出ないままの急落は「悪性」の可能性

 今回の急落の特徴は、「××ショック」と呼べるような具体的な悪材料が出ていないことです。

 もちろん、ここで何度も指摘しているように、くすぶっている悪材料はたくさんあります。新興国の通貨危機、貿易戦争、米国以外の国の経済指標悪化、ブレクジット、イタリアの財政問題・・などです。

 しかし、足元で何かが突発したということはありません。
 
 世界の株価をけん引してきた米国は引き続き好調です。

 10月26日に発表された7−9月期のGDPは3.5%と高い伸びでしたし、本格化してきている企業決算も前年比22%の増益ペースで、8割の企業が市場予想を上回るという結果になっています。

 日本の企業も一部企業は業績悪化させていますが、全体的には好調です。

 そうした中で株価だけが突然急落し始めた、という状況です。

 日立建機、日本電産、日本航空電子、リコー、富士電機をはじめとして、上方修正したのに急落という現象も増えています。

 こうした状況を受けて、「ファンダメンタルズから見て株価は売られすぎ」という見解が多くの専門家から出されています。今週の日経ヴェリタスも「総悲観は行き過ぎ」と断定する内容の意見記事をトップに掲載しています。私としては、「かなり思い切った意見記事を打ち出してきたな」という印象を受けました。よほど何か根拠をつかんで自信を持っているのでしょうか。それとも見切り発車的な記事なのでしょうか。

 こうした見解は説得力あるようにも感じます。

 しかし、忘れてはならないのは、「株価は実態に先行して動く習性がある」ということです。株価はいつでもファンダメンタルズが好調な中で天井を打って下降転換します。今がそのような局面である可能性も十分にあります。

 何度も言いますが、アメリカ以外は経済指標の悪化が半年以上続いています。一人世界経済を支えているアメリカも、トランプ減税で一時的に底上げされているだけである可能性もあります。

 もしそうなら、その反動は出てきます。財政政策や金融政策で増加した需要というのは、あくまでも需要の先食いであり、その後に反動をもたらすものだからです。一時的な効果を恒久的なものと勘違いする心理が社会の中では働きがちになりますが、やはりそれは勘違いである可能性が高いといえるでしょう。

 日本もアベノミクスとオリンピック効果でかなり需要を先食いした可能性があります。ここから来年にかけてそのツケを払わされる局面になる可能性があります。


11月6日以降は戻す可能性も

 以上のように、中期トレンドは下降転換した可能性が高まってきたように思われますが、目先的には反転する可能性もありそうです。

 11月は小型株が上昇しやすいですし、米国中間選挙後は株価が上がりやすいというアノマリーもあります。

 私自身はこうした反転の動きを狙いたいと思っていますが、ターゲットにするべき株は波乱相場の中でも強いトレンドを維持している株です。一時的に急落したものの、週足のチャート形は強い形を維持しているような銘柄がいいと思います。

 たとえば、13週移動平均線が上向いていて、その線上をしっかりキープしているような銘柄がいいでしょう。

 さらに理想を言えば、「25日移動平均線に沿った上昇トレンドの株を25日移動平均線をメドに押し目買いをする」という方針がいいのではないかと考えています。

 トレンドが崩れてしまっているような株に関しては、一時的に大きくリバウンドする可能性もありますが、それ以上にリスクが大きいと思われますので要注意です。


<注意>

 原稿は、運用で勝つための戦略を探るアイデアを模索している過程を記したものです。記載される 米国株動向、世界経済動向予想、さらに日経平均予想についてもテクニカルが主体であり、あくまでも予想であります。相場は急激に想定外に変化する場合もあります。読者の皆さんが投資される際には、これをあくまでも参考として、最終的にはご自身で吟味して投資していただくようにお願いします。