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アジアの巨大グロース企業
9983 ファーストリテイリング
今や日経平均株価をリードする日本代表銘柄。日経平均株価は10月2日高値を起点に大幅な調整に見舞われたが、同社株については高値59960円(10月10日)からの調整も比較的軽妙となり、アッサリと高値を更新してきた。上場来高値61970円(2015年7月)を上抜き、約2年半振りに高値更新できる確度はますます高まったと考える。新たな成長ステージを迎えている中国や東南アジアなど海外ユニクロ事業は、商品構成の見直し等から大幅な増益を達成しており、今後も積極的な出店拡大や販売計画の精度向上等から、中期的な成長が見込まれる。ここで新たに注目されるのは、世界トップ企業とのパートナーシップにより、サプライチェーンの改革が進めていることだ。商品の企画や生産計画では、グーグル社と協業し、検索エンジンや人工知能を活用し世の中の膨大かつ有益な情報を収集する。これらの世界的な情報と販売データを基にアクセンチュアのアルゴリズムを用いて、精度の高い商品企画と販売数量を決定する。すでに時価総額では6兆円にまで達するガリバー企業となったが、アジアを中心にグローバルで成長する小売業として依然高く評価する余地がありそうだ。
成長カタリストをポジティブ評価
4921 ファンケル
通販主力の無添加化粧品メーカー。サプリや健康食品も展開。海外は中国、香港、北米が中心。10月30日発表19年3月期第2四半期の連結業績は、前年同期比16.3%増収、同86.6%経常増益となった。国内需要が堅調に推移したことに加え、インバウンド需要の寄与により、主力の化粧品関連事業、栄養補助食品関連事業が大幅な増収となった。営業利益は、宅配運賃の値上げによる物流コストの上昇や、業績向上に伴う人件費の増加があったものの、増収効果による売上総利益の増加などにより、前年同期比89.6%増となった。尚、19年3月通期の売上高は1220億円(前期比11.9%増)、営業利益は122億円(同44.4%増)、経常利益は123億円(同42.2%増)、純利益は84億円(同35.7%増)としている。ファンケル化粧品、栄養補助食品関連事業の好調に加え、インバウンド需要が想定を大幅に上回って推移していることなどから、売上高及び各利益を上方修正している。更に下期もインバウンド需要が高水準に推移すると見込まれることや、国内売上も好調に推移。尚、来期以降の成長をより力強いものとするために、下期にマーケティング費用を中心に15億円規模の追加投資を実施、業績好調に伴う賞与の増額などを今回発表の業績予想値に織り込んでいる。10月30日に第2期中期経営計画の数値目標を上方修正している。21年3月期の売上高を従来の1260億円から1400億円、営業利益を126億円から180億円に引き上げている。更に同日11月30日現在の株主を対象に1対2の株式分割を実施すると発表。みずほ証券では成長カタリストが複数発表され、ポジティブな印象だとして、投資判断を「買い」目標株価を5900円としている。
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