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− 1/7(水) −
※2005年1月12日に掲載された内容です。
知恵27 小型株を冬に買い、春に売る
今回もアノマリーを紹介します。
また、日経新聞の「まちかど」からデータを拝借しますが、3ヵ月単位の騰落率を1965年以降について調べてみると、12月〜2月の勝率は77%と最も高いそうです。
その原因は、「年末にかけて整理売りがかさみ、新年に入ってからは外国人投資家を中心に新規資金の買いが入りやすいから」ということになるでしょう。
以前に「10月は米国が安値をつけやすい特殊月」というアノマリーを紹介しましたが、90年以降は日本株は米国株に2〜3ヵ月遅れて連動する傾向が見られるということもあり、その日柄がちょうど12月に相当する、というのも面白い一致です。
また、「1月に上昇しやすい」というのと同じような理由から、日本の新年度入り直後の4〜5月に株価が上昇しやすいという傾向もよく知られています。
ちなみに、東証再開以来の月別の勝率を見ると、1位が1月の73%、2位が4月の69%となっています。1月と4月が上昇しやすいというのは、データ的にも裏付けられているのです。
さらに、小型株については、ここ最近「11〜12月が安値になり、春先にかけて大幅上昇する」という傾向が続いています。小型株の場合は、持ち合い解消売りなどの特殊要因もありませんし、浮動株が少なく需給の変化に株価が反応しやすいという性質もあるので、11月〜12月に安値をつけ、春先に高値をつけるというアノマリーがよりはまりやすいといえそうです。
また、小型株の場合は分割やIPOが株価を動かす大きな要因になりますが、分割は9月末に権利落ちして11月待つに新株が還流してくることが多いです。IPOについても、11〜12月がスケジュール的にラッシュになる傾向にあります。つまり、株式分割、IPOの2大要因も11〜12月安値をつけやすい要因として働いているのです。
以上、たくさんデータを出してしまいましたが、結論としては、「小型株を11〜12月に仕込んで、春先にかけて浮上する動きを狙う」という戦略は、かなり有効だということです。
今年もこのパターンがぴたりとはまりました。新年に入ってから小型株の動きが活発になっていますが、この動きは春先まで続く可能性が高いのではないと私は予想しています。
以 上
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著者紹介 |
小泉 秀希 |
1967年東京都生まれ。東京大学卒業。日興證券を経て、新進気鋭のジャーナリストして活躍している。「経済がわかれば儲かる株が見えてくる」(明日香出版社)の著者であり、現在、ダイヤモンド社『Zai』でウォーレン・バフェットの研究を連載中。先人たちの投資理論研究、さらに儲けるための理論研究に燃えている。独自の理論には定評があり、成長株理論に精通する人物である。一般投資家に分かり易い解説も得意であり、「投資家123」に続き、このコーナーを担当いただくことになった。 |
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