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− 11/29(月) −
◆日常生活を豊かに…トイレタリー関連銘柄をウォッチ
先日、JRの大型ターミナル駅に隣接する大手ファッションビルで、ステキな店を見つけた。『SABON』(サボン)という店名で、石鹸やシャワージェル、ボディスクラブ、キャンドルなどを販売している。イスラエルのブランドで、本国と欧米で数十店、日本国内にも数店、店舗展開しているという。商品自体はオシャレで香りが良く、洗練されているが、スクラブ剤には死海の塩を使うなど、イスラエルらしさ?も出ている。また、ユニークなのは、店内の真ん中に水道の蛇口が引かれ、直系1メートル以上はありそうな、石でできた流し台のような手洗い場のような物が置かれている点だ。なんとなく「モーゼの泉」を彷彿させて、これもイスラエルっぽさを感じる。ちなみにこの水道は、お客が上記のバス用品などを試用し、洗い流すためにあるものだ。
最近はこうした高級感のある海外バス用品を扱う店舗が増えているように思う。だいぶ以前からあるものとして、イギリスのブランド『クラブツリー&イヴリン』や、同じくイギリス発の『ザ・ボディショップ』、南フランスが発祥の『ロクシタン』などが有名だろう。ほかに、タイの『HARNN』(ハーン)など、アジア系のブランドもけっこう入っているようだ。また、日本発の店では、ハーブショップとしてスタートした『カリス成城』や、自然派の素材などにこだわった『MARKS&WEB』(マークス&ウェブ)など、多くのブランドがある。
生活が豊かになってくると、トイレタリー(石鹸やボディソープなどのボディケア品、ハンドクリームなどのスキンケア品、シェービング用品、シャンプーや育毛剤などのヘアケア品など)をはじめとした日用品にも、質の良い物を使い、日常生活を豊かにしたいというニーズが出てくるのだろう。
トイレタリー関連銘柄をウォッチしてみた。
★花王〈4452〉
トイレタリー首位メーカーで、化粧品の2位メーカー、花王を入れる。26日終値は23円高の2108円。単位100株。PERは約21.5倍、PBRは約2.0倍となっている。チャートは4月6日につけた年初来高値2432円から反落し、続落していたが、5月27日と8月27日につけた年初来安値1930円でダブル底を形成。以降は凸凹しながらも上昇トレンドとなっている。2050円ラインの押し目を待って拾い、2150円ライン上抜けを目指す。岡三証券は1日付けのレーティング(投資対象期間6ヵ月以内)で投資判断「強気」、目標株価2360円とし、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は24日付けのレーティング(投資対象期間12ヵ月以内)で、投資判断「ニュートラル」(中立)、目標株価2300円としている。
花王の今期2011年3月期連結業績予想は、売上高1兆1850億円(前年比0.1%増)、営業利益1050億円(同11.7%増)、経常利益1030億円(同10.1%増)、純利益530億円(同30.8%増)。期中に売上高を下方修正したものの、営業・経常・純利益は上方修正した。前年実績比では微増収、2ケタ増益を見込んでおり、業績面からも買い安心感は充分にある。
★資生堂〈4911〉
化粧品の国内首位メーカーであり、トイレタリー事業も展開する資生堂を入れる。シャンプーなどの『ツバキ』シリーズ、男性用化粧品の『ウーノ』シリーズなど、多くのブランドがある。26日終値は2円高の1767円。単位100株。PERは約28.3倍、PBRは約2.1倍となっている。チャートは6月29日につけた直近高値2042円と7月28日につけた2040円でダブルトップを形成後、地合いの軟化もあって反落していた。が、11月2日に年初来安値1661円をつけた後はリバウンド局面となっている。1750円ラインの押し目を待って拾い、1800円ライン上抜けを目指す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の24日付けのレーティング(投資対象期間12ヵ月以内)では、投資判断「ニュートラル」(中立)、目標株価1800円とされている。
資生堂の今期2011年3月期連結業績予想は、売上高6880億円(前年比6.8%増)、営業利益505億円(同0.3%増)、経常利益505億円(同1.9%減)、純利益250億円(同25.8%減)。経常減益は前年の米国化粧品会社買収にともなう借入金増加による支払利息の増加、純利益の減益は前年の税金費用軽減からの反動を見込んでいる。『会社四季報』には、次期2012年3月期は増収増益との予想値が出ている。
★DCMホールディングス〈3050〉
トイレタリーのメーカーだけでなく、販売のほうに目を転じてみると、最近はスーパーやショッピングモールだけでなく、ホームセンター(ホムセン)でも多く売られているのを見かける。ホムセン銘柄のなかからDCMホールディングスを入れる。傘下には、カーマ(本社・愛知県刈谷市、中部地方を中心に約130店を展開)、ダイキ(本社・愛媛県松山市、中四国から近畿エリアの瀬戸内圏を中心に約170店を展開)、ホーマック(本社・北海道札幌市、北海道・東北・関東で約170店を展開)などがある。DCMは「デマンド・チェーン・マネジメント」という意味だそうだ。DCMホールディングスの今期2011年2月期連結業績予想は、売上高4212億円(前年比0.4%減)、営業利益130億円(同9.5%増)、経常利益125億円(同3.8%増)、純利益66億円(同328.7%増)と、微減収だが営業・経常・純利益は増益を見込んでいる。純利益の大幅増は、前年に計上した減損損失による特別損失が、今期は剥落するため。
26日終値は3円高の437円。単位100株。PERは約10.0倍、PBRは約0.5倍と割安水準にある。チャートは4月26日につけた年初来高値651円から反落し、続落トレンドで来ていたが、9月1日につけた上場来安値392円で底打ち。以降は凸凹しながらもジリ高トレンドとなっている。中期で500円フシ奪回を目指す。なお、11月9日には自社株買いを発表している。10日〜2011年2月28日の予定で、取得株式総数(上限)は200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.32%)、取得価額の総額(上限)は12億円としている。
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<著者紹介>
田北知見(たきた ともみ)
勝ち組トレーダー実践書、『超デイトレ入門』(実業之日本社)など執筆。エネルギー業界新聞の記者から、現在株式会社日本インタビュ新聞社の記者として活躍。企業IRも積極的に行っている。 |
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