◎米国株大幅高
米国株が大幅に上昇しています。米労働省が先週末発表した2月の雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門の就業者数が季節調整済みで前月比31万3000人増と、2016年7月の32万5000人増以来1年7カ月ぶりの高水準となり、市場予想の20万人増も大幅に上回り、景気の堅調さを示す内容となっています。更に失業率も横ばいの4.1%と、2000年12月以来の低水準を5カ月連続で維持。一方で、物価上昇の先行指標として注目される平均時給が前月比0.1%上昇と、予想の0.2%上昇を下回っています。労働市場の改善が続く一方、インフレが抑制されている実態を示す統計内容となったことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが加速しないのではないかとの楽観的なムードが広がっている事で米国株式市場では安心感が広がったようです。
特にその安心感と言う意味では、投資家心理を測る指標とされ別名「恐怖指数」と呼ばれる株式相場の変動性指数(VIX)が先週末、6日続けて低下し前日比11.5%低い14.64で終えています。米長期金利の上昇をきっかけに相場が急落する直前の2月1日以来、約1カ月ぶりの低水準を付けています。VIXは相場が荒れると上昇しやすく、20を超えると不安心理が高まった状態とされますが、2月上旬に一時50を上回った後はいったん落ち着いたものの、利上げが加速するとの観測や米国の保護主義的な通商政策への警戒感などから3月1日には20を超える水準に上昇していたようで、ここに来て先行きに対する不安が後退した格好です。
内外とも懸念材料があるのですが、例えばトランプ関税や或いは北朝鮮情勢など不透明要因として依然として存在する中での相場の先行きに対する安心感ですが、これら一連の懸念材料も以前に比べるとやや緩和されつつあるとの見方があるのかも知れません。北朝鮮情勢などでは米朝首脳会談が行われるとの報道に対して買い材料視する向きも多いのですが、これまで何度となく騙してきた経緯があるだけに、俄かに信じがたいところもあり、この先何があるか分からないと言うことになります。それだけに目先は楽観ムードで良いのですが、その先、と言うことになると過度の楽観も禁物と言うことになります。
と言う事で日本株ですが、取り敢えずは米国株の大幅高を好感するスタートと言うことになりそうです。尤も国内政治に不安があるだけに、政局混迷と言う負のイメージを抱く投資家も少なくないようで、どこまで米国株高連動で上値を目指す事が出来るのかが良く見極める必要がありそうです。為替は107円台に接近する動きですから、この面からは支援材料になりそうですが、日経平均株価の2万2000円台と言うのは大きな壁でしょうし、そして移動平均線で言いますと、25日線の2万1700円近辺が頭打ちになる可能性もありそうです。
●9824 泉州電業
電線専門商社、オーナー経営。昭和電線が最大仕入れ先。即納強み。売上高は銅価と連動性高い。3月5日発表18年10月期第1四半期の連結業績は、売上高は204.70億円(前年同期比12.8%増)、営業利益は7.99億(同3.2%増)、経常利益は8.76億円(同4.6%増)、純利益は5.95億円(同6.0%増)となった。提案型営業の推進、配送体制の強化、新規得意先の開拓及び既存得意先の深耕、新商品の拡販など積極的な営業展開を図った。その結果、当連結会計年度の業績は、建設需要の緩やかな持ち直しや銅価格の上昇による増収効果要因に加え、民間設備投資向け電線の需要が底堅く推移し、増収増益となった。
●3966 ユーザベース
ビジネスデータの「SPEEDA」とSNS型ニュースの「NewsPicks」運営。アジアを強化。2月13日発表17年12月通期の連結業績は、売上高は45.65億円(前期比48.2%増)、営業利益は5.45億(同117.5%増)、経常利益は5.18億円(同130.0%増)、純利益は4.38億円(同63.8%増)となった。「SPEEDA」事業では、既存顧客による契約ID数の追加及び事業会社による新規導入を中心に国内外において販売は堅調に推移。また、子会社となった株式会社ジャパンベンチャーリサーチが提供する日本最大級のベンチャーデータベース「entrepedia(アントレペディア)」、子会社として設立した株式会社FORCAS(フォーカス)が提供するB2Bマーケティングエンジン「FORCAS(フォーカス)」の各サービス提供も堅調に推移。又、「NewsPicks」事業では、サービスの知名度の向上、コンテンツの強化により、会員ユーザー数、有料課金ユーザー数共に順調に増加。また当連結会計年度に開始した「NewsPicksアカデミア」サービスが好評を博し、アカデミア会員数も順調に増加、有料課金売上が大きく増加。更に、スマートフォン向けの広告サービスに対する需要も高まっており、広告売上につきましても堅調に増加。「NewsPicks」の平成29年12月末の会員ユーザー数は2,908千人、有料課金ユーザー数は56,135人。
●8909 シノケングループ
頭金ゼロで可能なアパート、マンション経営を提案。ゼネコン、介護事業も。ASEANに拠点。2月14日発表、17年12月通期の連結業績では売上高は1059.36億円(16年12月期比30.3%増)、営業利益は129.20億円(同22.2%増)、経常利益は122.01億円(同23.3%増)、純利益は84.89億円(同27.4%増)となった。アパートの販売(引渡し)は前年実績を上回るペースで推移。また、マンション販売では、首都圏において投資用に特化したデザイナーズ仕様の区分販売が順調に推移した。賃貸管理では、当連結会計年度末における賃貸管理戸数は27,358戸。また、分譲マンション管理では、当連結会計年度末における分譲マンション管理戸数は5,361戸、賃貸管理、分譲マンション管理ともに順調に増加。ゼネコン事業は、法人・個人・官公庁の既存顧客に加え、新規顧客開拓の強化が奏功し、新規受注が獲得できたほか、受注済みの請負工事の進捗も順調に推移。LPガスの小売販売では、当連結会計年度末において供給世帯数が26,849世帯となり順調に増加。介護事業は、17年6月に「フレンド香住ヶ丘」を開設、新たに福岡エリアにおいて認知症対応型グループホーム及び小規模多機能型居宅介護施設の運営を開始。
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