◎米国株反落
米国株が乱高下しています。相場の先行きを暗示するような動きで、少々気迷った感じです。前週までの米中貿易戦争への警戒心が後退、前日に大幅に大幅に上昇した米国株ですが、この日も複数の米メディアが前日までに関係筋の話として、ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が中国政府当局者との間で「貿易戦争」回避に向けた協議を行い、輸入車に対する関税の引き下げを要求していると報道した事を材料視する動きとなっています。
中国の金融サービス業で経営権の過半を外資が持てるようにし、米国の半導体製品をさらに購入するよう中国側に求めているという報道もあるようで、このような両国による水面下での動きを受けて、米中の貿易戦争が回避されるとの期待が前日に引き続き広がっています。ただ、一方で前日の急伸を受けて戻り売り圧力も強いようで、加えて、米中貿易摩擦に関する懸念が完全に払しょくされた訳ではないとの見方も一部では残っていることで、米国株は取引終了に掛けて急落、一気にリスク回避の流れが強まったことで、午前中の上げ幅を上回る下げを演じており、NYダウは上下700ドル程度の荒っぽい展開となっています。
リスク回避の流れが市場に充満してしまうと、どうしても株式市場から資金を引き上げてしまう傾向があるだけに、この極端な動きが致し方ないところです。どの辺りで落ち着くのかを見極めるしかないのですが、昨日600ドル超上げたNYダウですから、下値を固めると言う意味ではこのような上下激しい動きは避けられないと言うことになりそうです。
と言うことで日本株も右へ倣えと言うことで、昨日の上げ分を失う可能性はありそうです。シカゴCME日経先物は20700円前後まで下げています。昨日の日経平均株価が2万1300円程度と500円超上げていますから、昨日の上げ分を吐き出してしまうかも知れません。ただ、米国株でもそうであったように、投資家心理とは何とも気まぐれなもので、「リスク回避」の一方で「リスクオン」と言う流れが湧き起こって来ますと、一気に相場が盛り返す可能性が高いと言うことになります。
日経平均株価に関しては昨日200日移動平均線が2万1312円で昨日復帰した訳で、本当であればここで踏ん張ってもらえれば良いのですが、ここでの荒い値動きは避けられないと言うことになります。いずれにしてもこの目途を早期に回復して21500円辺りの節目を回復する動きになるのかどうか、そして勢いを見るのであれば、本日は3月期末の権利落ち日となる訳で、この辺りの下値の固さをどの程度意識する事が出来るのかがポイントになりそうです。
●2461 ファンコミュニケーションズ
アフィリエイト(成果報酬型)広告で業界首位級。A8やネンドなどのサービスを運用。独立系。2月8日発表18年12月通期の連結業績は、売上高は385億円(前期比1.5%減)、営業利益は50億(同13.0%減)、経常利益は50.20億円(同13.3%減)、純利益は34.70億円(同17.9%減)を見込む。売上高について、スマートフォンに関する市場環境の変化の影響を受けることにより、その伸びには一時的な鈍化が予想される。しかし、消費者によるインターネット利用が堅調であることが見込まれることから、市場環境の変化に対応した広告配信モデルやアドネットワークの構築を行い、蓄積されたノウハウを活かしてプロモーション運用を図ることで、改善していくものと見込む。同社はCPA型アドネットワーク事業では主力のアフィリエイト広告サービス「A8.net(エーハチネット)」、スマートフォンアプリ向けCPI広告サービス「adcrops(アドクロップス)」および「seedApp(シードアップ)」等を提供。
●3558 ロコンド
靴を中心とした通販サイトを運営。倉庫の二次利用やECサイト支援などBtoBサービス育成。1月12日発表18年2月期第3四半期の業績は、売上高は28.10億円(前年同期比37.6%増)、営業利益は2.02億(同28.1%増)、経常利益は1.90億円(同19.8%増)、純利益は1.75億円(同38.0%減)となった。ECサービスは、「LOCONDO.jp」の運営、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」など他社モールへの出店を行っており、当第3四半期は、出荷件数は70万件、出店ブランド数は1,907ブランド。その結果、ECサービスの商品取扱高(返品前)は7,197,739千円(前年同期比24.5%増)、売上高は2,374,442千円(前年同期比34.5%増)となった。プラットフォームサービスでは「BOEM」における支援企業社数は新たに株式会社大丸松坂屋百貨店などの開始により当第3四半期末時点で17社となった。
●9048 名古屋鉄道
中部地盤の私鉄大手。不動産、百貨店、ホテル等幅広く展開。『明治村』などレジャー施設も。2月7日発表18年3月期第3四半期の連結業績は、売上高は4462.89億円(前年同期比1.1%増)、営業利益は391.10億(同6.4%増)、経常利益は402.69億円(同5.3%増)、純利益は255.78億円(同12.7%増)となった。当第3四半期の営業収益は、不動産事業における増収やトラック事業での貨物取扱量の増加、さらには鉄軌道事業における輸送人員の増加により前年同期比1.1%増収。又、燃料費が増加したものの、増収により同6.4%増益となった。経常利益は、持分法投資利益の減少などにより営業外損益は悪化したものの、営業増益により四半期純利益は、減損損失の減少などにより特別損益が改善し同12.7%増となった。尚、18年3月通期の連結業績では売上高は6080.00億円(前期比1.4%増)、営業利益は455.00億円(同3.0%増)、経常利益は465.00億円(同0.8%)、純利益は270.00億円(同15.2%増)を見込む。
●9260 西本Wismettacホールディングス
日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。『サンキスト・レモン』の日本輸入総代理店。18年12月通期の連結業績は、売上高は1848.14億円(前年同期比7.4%増)、営業利益は67.75億(同7.1%増)、経常利益は66.81億円(同12.9%増)、純利益は46.64億円(同52.1%増)をい見込む。北米では人件費及び物流費の上昇を見込んでおり、商品原価の低減と業務オペレーション全体の最適化・効率化に取り組んでいくことで利益率の改善に努める。農水産商社事業においては、引き続き卸売市場への販売を維持しつつ、量販、中食・外食、食品メーカー及び海外販路の拡大に取り組む。同事業における取扱い商材の一部の原価高騰の影響については持ち直しつつあり、利益率の改善に伴い増益を見込む。尚、17年3月通期の連結業績は16年12月期比8.7増収、14.5%経常減益となった。
●3665 エニグモ
服飾中心のソーシャル通販サービス『バイマ』運営。売り手、買い手双方からの手数料が利益源。17年9月13日に公表した18年1月通期の業績を18年3月15日に上方修正している。売上高は前回発表比1.7%増の44.92億円(17年1月期比8.3%)、営業利益は同10.6%増の15.74億円(同%11.0%減)、経常利益は同9.1%増の15.56億円(同11.7%減)、純利益は前回同51.5%増の8.16億円(同28.6%減)としている。基幹事業であるソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA (バイマ)」において会員数、出品数及び取扱高が、堅調に推移した結果、売上高、利益とも上方修正した。これに加え、18年1月17日に発表した、連結子会社ロケットベンチャー社の全株式譲渡に伴い、株式の売却損として約28百万円が発生した一方で、個別決算にて計上した関係会社株式及び投資有価証券の評価損688百万円が損金認容となったことで、法人税額が約212百万円減少したため、当期純利益について同予想値と比べ増加した。
●7717 ブイ・テクノロジー
液晶ディスプレー、有機ELディスプレー等の製造・検査関連装置が主力。ファブレスメーカー。17年11月10日に公表した18年3月通期の連結業績を18年2月13日に修正している。売上高は前回発表の700.00億円から今回660.00億円(増減率5.7%減)(前期比45.4%増)、営業利益は前回100.00億円から今回120.00億円(同20.0%増)(同121.6%増)、経常利益は前回98.00億円から今回119.00億円(同21.4%増)(同120.1%増)、純利益は前回49.00億円から今回74.00億円(同51.0%増)(同163.0%増)としている。一部の装置の納品が翌期へ延伸となり、売上高について見通し額を修正した。また、徹底した原価削減及び税金費用の減少等により、営業利益、経常利益、当期純利益を修正した。更に配当予想については、17年10月16日の創業20周年を記念して、30円の記念配当を実施。また、期末普通配当予想を100円から140円とし、記念配当とあわせ期末配当を70円増配の170円としている。
●3676 ハーツユナイテッドグループ
専用機、モバイル向けゲームソフトの不具合検出(デバッグ)主力。子会社でゲーム受託開発も。18年3月通期の連結業績は、売上高は176.22億円(前期比14.1%増)、営業利益は22.00億(同15.4%増)、経常利益は22.25億円(同11.4%増)、純利益は13.82億円(同73.8%増)を見込む。主力のデバッグ事業は、デジタルハーツを中心に発売前の製品に内在する不具合を「ユーザー目線」で検出・報告する「ユーザーデバッグサービス」を提供。家庭用ゲームソフトをはじめ、モバイルコンテンツ(ソーシャルゲーム、スマートフォンのアプリ等)、パチンコ・パチスロ、WEBサイトや業務システムなどIT全般に係るソフトウェアと多岐にわたっている。デバッグとは一般的にはプログラムの誤り(バグ)・欠陥を探し修正することを指す。同社の「デバッグサービス」は、修正作業を行わず「バグを発見し報告する」ことに特化している。
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